PAFの再現にこだわり抜いた、Throbak MXVピックアップ!

ヴィンテージピックアップの中でも最も有名な、PAFピックアップ。
Gibson、セス・ラヴァーが開発し、発売された当初、特許出願中(Patent Applied For)の文字が張られていたことから、その頭文字をとってPAFと呼ばれます。
57年に発売された通称PAFピックアップは、その後数々のアーティストにプレイされ、その独特の音色は伝説になっていきました。

今でも、当時のPAFサウンドを再現するために、ピックアップメーカーはもちろん、Gibson本家ですら様々なモデルを製作しています。

Throbakは、ヴィンテージサウンドの再現に強い情熱を傾け、時間や資材を惜しまずにつぎ込んできました。
そのストーリーをお話しします。

ThroBak Maximum Vintage Seriesのピックアップセットは、ヴィンテージトーンと品質の新たなスタンダードです。
世界で初めて成功したハムバッキングピックアップといえば、あの Patent Applied ForやP.A.Fと呼ばれる50年代のギブソンハムバッカーです。このMXVシリーズは、PAFトーンを再現する、全く新しいスタンダードなのです。

全てのMXVシリーズに使われるコンポーネンツは、全てアメリカ製で厳重に管理されています。
MXVシリーズのパーツは長年の研究により完成したもので、一部には本物のヴィンテージモデルのサプライヤーとも共同で行いました。
つまり、全てのMXVピックアップはMade in USAです。そして、MXVシリーズなら50年代PAFの伝説的なトーンを学ぶことができます。
PAFにも使われたヴィンテージLeesona 102コイルワインダーと、本物のギブソン製のSlug 101ワインディングマシンにより、MXVシリーズは最高のヴィンテージPAFワイアリングを実現しました。
さらに、ヴィンテージ同様42 AWGのプレーンエナメルワイヤを用いることで、偉大なヴィンテージPAFと全く同じ作りとなっています。
マグネットにはカスタムメイドのアメリカ製を用いており、まさにMaximum Vintage Pickupの名に恥じぬ、ヴィンテージスペックに対する執拗な探求を示しています。

●かつてPAFを巻いていた2つのワインディングマシンは、今ThroBak MXVピックアップを巻いています。

オリジナルのギブソンPAFピックアップ、およびナンバードPAFピックアップは機械でワインディングされていました。これらのマシンは、音色を作る上で重要な要素となります。
2つのマシンで巻かれた50sPAFピックアップは、メカニズムとして今も生きています。ワインディングマシンはそのパフォーマンスを発揮するためには熟練したオペレータによるメンテナンスが必要ですが、正しく使うことでピックアップには魔法がかかります。そして、実際にこのワインディングマシンは、伝説のトーンを作り出してきたのです。

●Leesona 102 ヴィンテージピックアップワインダー


1940年代後半、ギブソンは増え続けるピックアップの需要に対応するため、2台のLeesona 102コイルワインダーを導入しました。
それはLeesona 102は、後にPAFピックアップを巻くことになる運命的なものでした。
Leesona 102は、3インチサイズの大きなコイルを3つ巻くことの出来る大規模なマシンです。
それを50sヴィンテージPAFの1/4インチサイズに調整したとき、公差によってPAF特有のワインディングパターンが生じ、これがその音色に重要な影響を与えることになります。
まるで熟練の職人が手巻きしたピックアップのような音色のマジックが、偶然にも発生したのです。

Leesona 102で作られたピックアップは、ヴィンテージPAFの特徴ともいえる豊かな倍音ダイナミクスを持っていました。今ではLeesona 102ワインディングマシンはとても貴重です。正常に動作するものとなるとさらに数が限られます。ThroBak以外では、あるギターメーカー1社のみが所有しています。
ThroBakの所有するLeesona 102は、非常に状態が良く、完全な動作とメンテナンスが行われています。デジタルのオートストップカウンターを追加し、TrhoBakのLeesona 102は完璧なものにチューニングされました。

●Slug 101 ヴィンテージPAFワインダー


ギブソンが設計、製作したSlug 101ピックアップワインダーは、カラマズーパーソンズ通りの古い工場に、何十年もの間荒廃した状態で放置されていました。
2008年、ThroBak Electronicsは、このPAFコイルワインダー、Slug 101を購入し、またヴィンテージ50sPAFと同じものを巻きはじめました。
Slug 101は、50年代のヴィンテージPAFのスラグボビンを巻くために当時のギブソンのパターンメーカーの手で設計され、作られた唯一無二のマシンです。
Slug 101は、まさにヴィンテージコイルワインダーの聖杯そのものです。何年もの間、存在そのものが疑問視され、また「小さな4ボビンワインダー」であるとしか知られておらず、まさにミステリーや神話の中の存在だったのです。しかし、Slug 101は今、息を吹き返しました。


Slug 101を使ったピックアップ製作は、このマシン自体がそうであるように、特別なものです。Slug 101はPAFやナンバードPAFをセットする際、必要ならばスラグコイルを巻くためにギブソンで使われました。Slug 101の遅いワインディングとセットアップに時間がかかることから、Slug 101が使われたピックアップはごく少数です。しかし、それらのSlug 101特有のワインディングパターンを持つピックアップは明瞭ではっきりとした音の出る特性があるのです。
Leesona 102とは違い、Slug 101のワインディングパターンはある意味、1つの機能といえます。Slug 101が使われたピックアップの音色は、ハンドメイドでは作り出せない、機械のメカニズムによるテンションによるものなのです。独特のトラヴァースメカニズムについては、秘して語らないことにします。少しくらい謎があっても良いでしょう。

●Slug 101をどうやって入手したか

2008年1月、カラマズーのパーソンズストリートにあるギブソンファクトリー跡地に設立されたヘリテージギターを訪ねました。目的はギターのカスタムオーダーでした。
訪問に先立ち、ビル・ペイジに古いギブソンのピックアップワインダーが工場にあるなら見せてほしいという約束をしました。
ファクトリーを訪ねると、ビルは快くSlug 101を見せてくれました。私はその重要性を認識し、ただぽかんと口を開けていました。
ヘリテージギターに勤める元ギブソン社員は、その歴史的意義を知っていました。

2008年6月、今はヘリテージギターとなっているカラマズーの旧ギブソンファクトリーからSlug 101を買い取りました。Slug 101は、設計、製作されてから半世紀にわたってこの工場にあったのです。そして、Slug 101は今、ミシガン州グランドラピッズのThrobak Electronicsで、驚異的な音色の50年代PAFピックアップを作っています。


●ボビン

ヴィンテージPAFをクローンしたボビンは、全てのMXV PAFスタイルのモデルに採用しています。これはカラマズーの近くにある秘密のロケーションで製作されたものです。MXVのボビンは古い工具や失われたスキルと長時間かけた研究の賜です。

ヴィンテージモデルと全く同じサイズ、材料、構造、そして外観を実現するため、長時間のファインチューンを行いました。本物のPAFのボビンとMXVシリーズのボビンは、ボビン内のサークルが同じようにオフセットしています。アメリカ最大のプチレートマニュファクチャラーであるCABのブチレートを用いたボビンが、このオリジナルと同じ特性を持つのです。


ヴィンテージゼブラ50sPAFのプラスチックカラーは、オリジナルの仕様に出来る限り近いものです。是非、実際に比較してみてください。全てのピックアップとその素材はアメリカで作られています。


●コイル
ヴィンテージPAFの伝説と共に、様々な神話が長年にわたり成長し続けてきました。中でも最大の神話は、最高の50sヴィンテージPAFは手巻きだった、というものかもしれません。実際、全てのPAFのコイルは、数少ないマシンによるマシンワウンドでした。その数少ないマシンが、PAFハムバッカーに独特の音色を作り出したのです。マシンによってのみ作り出されるコイルパターンやシェイプによる音色。そのマシンはバラエティに富んだコイルシェイプを作り出し、それがそのままヴィンテージ50sPAFのバラエティ豊かな音色につながります。この形状は、オペレータによるマシンセットアップのわずかな違いによって生じます。Throbakでは、それらの違いによって起こりうる全ての音色を、Throbak Maximum Vintageシリーズにラインナップしています。


これらの画像は、オリジナルPAFコイル、ThrobakのLeesona 102とSlug 101を使ったコイルです。全て、とてもタイトに巻かれています。
これらの画像は、2つのヴィンテージコイルワインダーが作り出すコイルシェイプのサンプルです。巻き数は全て同じですが、コイルシェイプとワイヤーの流れは明らかに違っています。マシンワインディングでありながら、マシン固有の癖によって様々なパターンを作り出します。これは現代のコンピュータ制御によるマシンのような整然とした回路とは違います。これらのパターンは、手巻きでも正確に再現することはできません。もちろん形を似せることは出来ますが、手巻きで似せて作ったコイルパターンの内部のワイヤリングは、ヴィンテージPAFコイルとは明らかに違っています。そして、それは最終的にトーンに違いが出てきます。この、マシンワウンド独特のコイルシェイプは、まさにヴィンテージPAFと同じヴィンテージマシンで巻かれたことを示すものなのです。


●ワイヤー


MXVシリーズのピックアップには、全てヴィンテージスペック同様.42のエナメル線が使われています。これらのプレーンエナメル線は、ギブソン黄金時代のカラマズー工場にも供給していた血統を持つ、小さなマグネットワイヤーメーカーによるものです。そして、それらのワイヤーにはPAF時代と同じ化学コーティングとプロセスで製造されたものです。そのため、MXVシリーズのワイヤーは、ヴィンテージPAFのものと同じ、コーティング時に使われるベンゼンのかすかな香りがします。
また、MXVシリーズのワイヤーはヴィンテージPAF同様、多少厚さにばらつきがあります。このばらつきを一部のメーカーは嫌がりますが、ThrobakはそのばらつきもヴィンテージPAFサウンドを作るためのツールであると知っています。そして、Throbak MXVシリーズではそのワイヤーがヴィンテージPAFサウンドを作るための魔法をかけてくれます。


●マグネット

Throbak MXVシリーズのマグネットは、ヴィンテージPAFのマグネットを分析し、それを再現したアルニコマグネットを使用し、アメリカで作られています。この磁石は、様々なヴィンテージモデルごとにカスタム鋳造されています。ロングA5のオリエンテッドマグネット、アンオリエンテッドのロングA5、ショートA5、ショートA2、そしてロングA2はヴィンテージチョイスの一部です。3つの異なったメーカーによって鋳造されたマグネットによって、Throbak MXVピックアップはヴィンテージPAFのアルニコタイプと同じトーンバラエティを実現しています。全てのマグネットはサンドキャストで鋳造されています。出来る限り正確な50年代のヴィンテージPAFサウンドを作ることができるよう、常に模索を分析を繰り返しています。


●合金


MXVシリーズのPAFモデルに使われる金属のアセンブリは、ヴィンテージ合金を用いたカスタムメイドです。ヴィンテージ50sPAFを現代の研究機関による破壊検査にかけたところ、MXVシリーズのポールスクリュー、スラッグ、キーパーバー、ベースプレート・・・といったパーツがヴィンテージPAFと同じで、同じ特性を持つことが確認されました。ヴィンテージサウンドの追求のための費用は惜しみません。ポールスクリューはアメリカでThrobakのために特別に製作されたヴィンテージクローンです。スラッグは、ブラウン、シャープ製のヴィンテージオートマティックスクリューマシンにより、ヴィンテージオリジナルと全く同じブルズアイと呼ばれる外観を復刻。キーパーバーも、個別にヴィンテージ仕様としてカスタムされています。全てアメリカ製です。


●ベースプレート/カバー



Throbak MXVシリーズの50sPAFスタイルを復刻したベースプレートは、オリジナルモデルの細部にわたるまで細かく復刻したカスタムモデルです。ベースプレートのネジ穴とディンプルポールのネジ穴の開いたフラットカバートップは50sヴィンテージPAFカバーの外観を再現。ヴィンテージPAFパーツの非破壊検査分析で明らかになった正しいニッケル-銀合金を用いています。

MXVのPAFカバーは、50年代にカラマズーでギブソンのニッケルメッキを手がけた者と同じファミリーが所有するショップで、銅を用いない正しい手法でニッケルメッキされています。メッキと研磨は、どちらもギブソン黄金時代に作られたカバーと全く同じプロセスで、カラマズーのエリアで作られています。オリジナル50sPAF同様、出来るだけ透明なトーンとなるカバーを作るため、銅を使わないニッケルメッキで作られています。この正しいニッケルメッキが施されたThrobak MXVのカバーは、Throbakの4ステップにわたるエイジングプロセスにより、本物と変わらない、軽いエイジド加工が施されます。



Throbakのスタンダード、かつフラッグシップモデルです。



ブルースギタリスト、ピーター・グリーンの伝説的なトーンを再現たモデルです。


Throbakのピックアップ各種、即納可能です!