エコープレックス in the BOX!Catalinbread Belle Epoch入荷!


もしかすると世界で一番有名なテープエコーかもしれない、Maestro Echoplex EP-3。真空管を使わずに作られたテープエコーで、ジミー・ペイジブライアン・メイ、トミ・ボーリン、K・K・ダウニング、ヴァン・ヘイレンなど様々なギタリストが愛用し、EP-3ならではの音を出してきました。

Echoplex EP-3とは

Catalinbreadでは、EP-3のエッセンスを捉えたディレイペダルの開発するにあたり、まずEchoplexならではの特性を正確に、完全に理解することにしました。そして、それは単にイコライジングでテープエコー風ディレイを作るだけでは到達できない領域にありました。

1.)まず、EP-3はそれ自体がギターサウンドを良くすると言われています。それはエコーがオフの場合であってもです。もちろん、Echoplexはトゥルーバイパスではありません。ギターのドライシグナルは、エコーがONであろうと無かろうと、ディスクリートのシンプルなプリアンプとパッシブミキサーステージを通って出力されます。ここで軽くブーストされ、同時に作られる音色をギタリストは好みました。

2.)残響の品質とディケイ。Echoplexにハイファイなサウンドは必要ありません。エコーが繰り返されるにつれ、音はだんだんと減衰しつづけます。ローエンドを失いながら、きらびやかでパーカッシブなトップエンドが得られ、同時に軽い歪みが加わります。最初の反響は力強く、その後はだんだん拡散します。そして、良くチューニングされた個体であれば“Echo Sustain”ノブの設定で、発振する前に永遠にリピートを続けることもできます。

3.)発振!Echoplexはただのディレイにとどまらず、それはもはや楽器だったと言えるでしょう。多くの有名なEchoplexプレイヤーは、Delayスライダーを使って得られる発振サウンドを音のレパートリーに加えていました。実際、Echoplexにギターを繋がず、Echo Sustainを自己発振の領域まで上げれば、“Echo Delay”スライダーで音を操作できます。これは、今までの多くの“テープエコーペダル”では味わえません。同じような使い方をしても自己発振しないだけでなく、ディレイタイムノブを動かしても、何も起きません。

4.)Echo Delayスライダーでテープヘッドがテープの上を動くときの音。リピートを多く設定し、Echo Delayスライダーを動かせば、テープヘッドが動いて新しい場所にセットされるまで、少しラグが発生します。これは多くのペダルのディレイタイムノブで発生することはありません。しかし、このラグもEchoplexならではの音なのです。

5.)レコードレベル。これはEP-3がテープをどのくらい強くヒットするかをコントロールします。このコントロールは、表向きはSN比の調整に使うものですが、実際は低く設定すれば軽く空間的なリピートが得られ、高く設定すればテープが強く飽和し、まるでグランジサウンドのようなリピートトーンが得られました。

6.)ワウ・フラッター。当時の機械駆動によるほとんどのオーディオ機器が抱えていた問題であり、EP-3も例外ではありません。狭いテープカートリッジ、安定しないモータースピード、バンピーなキャプスタンホイール、さらに他の機械的な要素が加わり、結果的にテープスピードが一定せず、エコーピッチが少し変動してしまいます。ショートディレイでは、この効果がコーラスのような音を作り、ロングディレイでは、まるで別世界のようなピッチモジュレーションがギタートーンに付加されます。ワウ・フラッターのタイプはそれぞれ個体やコンディションによって異なります。さらに、同じ個体であっても日によって全く違うワウ・フラッターとなるのです。ある日は小鳥のさえずりのようで、次の日はさらにドラマティックな効果となることもありました。これはまさにランダムで、LFOのサインウェーブとは異なっています。

7.)アウトプットステージのパッシブミキサー。EP-3は、ドライとウェットサウンドをシンプルなパッシブミキサーでミックスした後はバッファがかかりません。これは高いアウトプットインピーダンスとなり、技術的には「良くない」ことです。しかし、Echoplexをアンプにつなぐと、とても音楽的なダイナミクスが得られるのです。

8.)ディレイタイムレンジ。Echoplexは最小で80ms程度のディレイタイムです。これ以上短いディレイタイムは、テープのレコードヘッドがそれ以上近づかないので設定できません。そして最大ディレイタイムは800ms程度です。これは多くのギター用ディレイペダルが持っている最適なディレイタイムに近い値です。さらに、EP-3プレイヤーのレコードで聞くことのできる有名なサウンドでは、Echo Delayスライダーを最大から最小まで動かし、まるで宇宙船を思わせる音やテルミンのソロのような音を出していることもあります。この音を得るためには、このディレイタイムレンジでなければなりません。

これらの属性全てを持ったコンパクトペダルを実現し、異次元の音楽的体験を、一切のメンテナンス不要で実現するため、Belle Epochを開発したのです。

Belle Epochの特性

Catalinbreadでは、EP-3の全てを組み込み、Echoplexがそれ自体で楽器として使えたように、Belle Epochもそうなって欲しいと考え、開発を行いました。

そして完成したBelle Epochには、以下の様な特性を設けました。

・EP-3と同じオーディオパスとミキサーを実装。ディレイラインDSPベースですが、本物のEchoplexのサウンドとレスポンスにできる限り近づけられるよう、丁寧なチューニングを繰り返し行いました。

・Catalinbreadは、EP-3と同じゲインのオールディスクリートプリアンプを新たに設計しました。オリジナルのプリアンプよりもタッチセンシティビティに仕上げ、ダイレクトギターシグナルはこのプリアンプだけを通ります。バッファステージやOpampは一切通りません。さらに、Belle Epochのプリアンプはオリジナルの固定電圧式と異なり、9〜18Vで駆動します。こうすることで、より広くトーンを作ることが出来ます。

・Belle Epochでは、Echoplexの持つ80〜800msのディレイタイムと同じディレイタイムに対応しました。これにより、Echoplexと同じ使い方ができるようになりました。スラップバックサウンドからブライアン・メイまで、数々の名演が蘇ります。

・Echo Delayコントロールには、オリジナルのスライダーと同様、ラグを設けています。ディレイタイムを一気に動かすと、一足遅れてディレイタイムが変わる、Echoplexと同じ動作をさせることができます。特に発振させている間などには、これが非常におもしろい効果を作ります。実際にテープの上をヘッドが動いているような感覚でプレイできます。

・Catalinbreadでは、EchoplexのEcho Sustainコントロールのフィードバックの動きを研究し、シングルリピートから完全な自己発振まで、同じ動きを再現しました。発振せずにいつまでもリピートが続くような設定をはじめ、様々なスイートスポットがあります。Belle EpochのEcho Sustainノブを動かせば、すぐに欲しい音が見つかります。

・Modコントロールでは、Echoplexと同様、ランダムなワウ・フラッター効果が得られます。

・Belle Epochでは、EP-3のRecord Levelコントロールも再現しました。軽く、空間的なリピートからグランジを思わせる太く歪んだリピートサウンドまでを作ることが出来ます。このコントロールは、特に重要な最初の残響を主にコントロールします。このコントロールにより、エコーを繰り返さなくても薄く静かなアンビエンスを付加でき、また、リズミックなエコーソロに最適な、ドライシグナルよりも大きくざらついた、ラウドでダーティなエコーを作ることもできます。

・Mixコントロールは、本物のEP-3と同様、完全なドライから完全なウェットまで、自在なバランスでミックスすることができます。EP-3における“Echo Volume”ノブと同じ働きをします。

・内部にあるトリムポットは、Belle Epochのディスクリートプリアンプのゲインとヴォリュームをプリセットできます。ユニティゲインからラウド、ファズブーストなどの効果を作ることもできます。強くアタックすれば素晴らしい飽和感を持ったサウンドとなります。

・内部の切り替えスイッチは、トゥルーバイパスとバッファードバイパスの切替です。バッファードバイパス時には常にBelle Epochのプリアンプを通り、またエフェクトOFF時にも残響が即座に途切れない“Trails”モードとなります。トゥルーバイパスモードで、内部トリムポットのゲインを高く設定すれば、ペダル1つでゲインアップとエコーをかける、リードに最適なペダルになります。

・Belle Epochは9〜18Vで駆動します。18Vで駆動すれば、より高いヘッドルームとパンチが得られます。電池駆動には対応していません。






Belle Epochは、オリジナルEchoplexと同様、アンプの前に設置することを前提に設計しました。Belle Epochの入力と出力回路は、オリジナルのそれとほぼ同一です。パッシブのミキサー回路もEP-3の回路を再現しています。しかし、Belle EpochはオリジナルEP-3よりも低いアウトプットインピーダンスに調整しました。こうすることで、バッファを使わないアウトプット回路を維持しながらも、できるかぎり多くの出力を確保できるようになりました。
バッファーは、その名が示す通り、1つの回路と次の回路の間をアイソレートし、まるで個別の回路のように振る舞わせるためのものです。しかし、プレイヤーであれば、ノンバッファアウトプットによるタッチセンシティブなサウンドは必ず理解できるでしょう。
Belle Epochは、どんな接続をしても確実にそのパフォーマンスを発揮することができます。しかし、特にEchoplexらしさを発揮するためには、オーバードライブペダルの前、ファズペダルやトレブルブースター等の後に接続することを推奨します。そして、この驚くべきペダルの性能を理解するために、軽く歪ませたアンプのインプットに接続してみてください。

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