究極のフィルターペダルとは?Sonuus Wahooの可能性!Filter調整編!


非常に詳細に、様々な音を作り上げるSonuus Wahooレベルの調整に続き、音作りの根幹をなすフィルターの調整をご案内します。

WahoのFilterパラメータは、全てWahooの2つのフィルターごとに独立して設定することができます。
どちらのフィルターのパラメータを設定するかは、Filterボタンで切り替えることができます。
フィルターの選択、パラメータの調整、それらを組み合わせた設定など、柔軟に音作りを行えます。


freq-hi, freq-lo:それぞれのフィルタカットオフ周波数は、Hzの単位で表示されます。
カットオフレンジは10Hz(一般的なヒトの可聴域より低い値)から4000Hzまでの間で設定できます。
999Hzを超えた値については、kHzの単位で表示されます。(例えば、2500Hzの場合2・50と表示されます)

  • リバースフィルターの作り方

Wahooでリバースフィルターを作るのはとても簡単です。freq-hiの値をfreq-loよりも低く設定すればリバースフィルターになります。
hiとloは、モジュラーポジションのことです。フットペダルを奥に踏み込んだ状態、(エンヴェロープフォロワが最大の状態)で、hi側の値が使われます。hiとloに設定する数値自体が高いか低いかは関係ありません。

shape:音には、様々な周波数が含まれています。フィルターは、それらの中から特定の周波数を除去し、特定の周波数を強調することができます。最もシンプルで有名な物は、ローパスフィルターです。
ローパス、というのは、音声がフィルターを通った後の波形から名付けられています。ローパスフィルターは、高周波数域を削除し、残りの周波数帯を通します。そして、この削除されると設定した周波数のことを、カットオフ周波数、またはfcと呼びます。
Wahooのフィルターはローパス、およびバンドパスフィルターとして機能します。バンドパスフィルターは、指定された周波数帯を除く帯域を削除し、指定された周波数帯のみを通すフィルターです。
下図に、ローパスフィルターとバンドパスフィルターのダイヤグラムを示します。バンドパスフィルターにおける中心周波数はローパスフィルターのカットオフ周波数と同じで、どちらもfcとして表されます。


※カットオフ周波数を超える周波数帯の音がすぐにゼロになるわけではありません。カットオフ周波数を超える曲線の傾きはフィルターロールオフと呼ばれる、フィルターの特性の1つです。ロールオフは一般的にオクターブごとにdBで測定され、Wahooのローパスフィルターの場合は、オクターブごとに24dBのロールオフとなります。バンドパスフィルターは、fcの両側でオクターブあたり12dBのロールオフです。つまり、ローパスフィルターはバンドパスフィルターよりもfcの周波数を除去する際に高い効果を発揮することが分かります。
カットオフ周波数周りの波形におけるもう1つの特徴は、Qというパラメータ(またはレゾナンス)によるものです。Qの値が高くなると「ピーキー」なフィルターとなり、カットオフ周波数でのゲインが高くなります。Wahooにおいて、Q値を最大に設定すると、信号が入力されていなくても自己発振をさせることができます。
多くのフィルターエフェクトとは違い、WahooはフィルターのQ値を、Q-hiとQ-loのパラメータによってカットオフ周波数の値に合わせて自在に可変させられます。これにより、フィルターのキャラクターを自在に調整でき、またヴィンテージフィルターエフェクトの特性も簡単にエミュレートできます。


ローパスフィルターとバンドパスフィルターの違いは、バンドパスフィルターは音にいろいろなキャラクターをつけることができますが、ローパスフィルターはオリジナルサウンドのローエンドをそのまま維持していることにあります。
curve:カーブを変えることは、フットペダルのフィールやエンヴェロープトラッカーのレスポンスを変えることに繋がります。例えば、フットペダルでフィルターのカットオフ周波数を制御するエフェクターを考えてみましょう。通常、フィルターのカットオフは、フットペダルの動きによってfreq-loからfreq-hiの間を直線的に可変します。最小のフィルターカットオフはフットペダルを手前に起こした状態で、奥に踏み込めば最大のフィルターカットオフとなります。フィルターのカットオフは、このフットペダルの2つの位置の間を結んだ直線上の値を動いて制御されます。
Wahooは、この「直線的な動き」を、次に示す曲線の中から選択することができます。


この設定により、これまでのアナログフィルターよりも細かなコントロールができます。
もし、loカーブを選択すればフィルターカットオフはペダルが奥に倒されるにしたがってより速く可変するようになります。hiカーブなら、逆にフィルターカットオフはペダルが手前側になるにつれて速く可変します。
少し複雑に感じるかもしれませんが、loとhiがどう動くのかを覚えるには、loカーブはfreq-lo付近での動きが遅く、hiカーブはhi付近での動きが遅いと考えると分かりやすいでしょう。そして、数値が高くなればなるほど、つまりlo9の方がlo1よりも強い効果となる、ということです。
分かりやすいようにペダル制御による例を載せていますが、これはLFOやエンヴェロープ、ピッチの制御時でも変わりません。このパラメータは、音をより理想に近づけるための微調整につかうものなので、あまり迷いすぎないでください。

Wahooをヴォーカルのような音を出すトーキングモジュレーターにするためには、2つのWahooのフィルターを同時に制御する必要があります。(つまり、2つのフィルターを同じモードに設定するということです。)
こうすることで、声を出すときに声帯が共鳴するような効果に近い動きを作ることが出来ます。

次回は、さらに多彩なモードをご覧いただきます。
Sonuus Wahooは即納可能!