SNDインタビュー!


まもなくRedemptionistのニューバージョンを発売する予定のShun Nokina Design
圧倒的な支持を集めるブランドのこだわり、そして理念とは。
インタビューを敢行!
 
ナインボルト(以下9):ところで、こないだ気づいたんですけど、Shunさんとは意外に長いつきあいですよね?
いつ頃からですかね?
Shun Nokina(以下S)そうですねぇぇ。。 もう1年ちょいになりますかね?
9:ですよね、最初は
私は何歳か分からなくて、ものすごい知識から、四〇代の方だと勝手に思ってました。今何歳でしたっけ?
S:またそういううまいことを。。(笑) いまは、21ですね。
9: 若いですよねwビルダー歴は何年ですか?
S: 21という歳が若いかという事柄について考察するとすると日が暮れるので、そこには触れません。。 ビルダー歴ですか....
う〜ん
どこからがビルダーといって言いのかわからないですが、
実質的なスタートは8年前くらいですかね。
9:なるほど、けどそれで合点がいきました。あと、確か知り合ってすぐの頃って、あまり日本で商品を売るつもりはないと行っていた気がしますが、
最近は精力的に販売に力を入れているように見えますけど、何か心境の変化があったんですか?
S:なるほど、たしかにおっしゃるとおりです!
昔は、一部の北のほうの冬季オリンピック大国のマニアックなユーザーのみに供給することを考えていたのですが、とても嬉しいことに、日本国内でも悪くはないレスポンスがあったので、ならば! と思いがんばることにしました。
その延長線上にいまはいるので、精力的に作る個数を増やして、触ってもらえる機会を増やしたい。と考えています。
9:なるほど、よくわかりました。私は、マエストロ(以前のSND商品。現在は廃盤)を触ったとき
種を超えた種、という言葉を思い出しました。
つまり、パーフェクトなものがは、ジャンルを超えて、新しいジャンルになるという意味だったと思います。
まさにそれに近い衝動を覚えましたが、
SNDにおいて、いろいろあると思いますが、特に私にも分かる一番の衝撃はやはり小ささと反比例する内部の複雑さがその原因だと思います。
あのアイディアはどこから生まれてきたのですか?
S: なるほど、、、とても嬉しいお言葉をありがとうございます。。
カワムラさんとはいつもくだらない話しかしていないので、こういう風に直接的に向き合うとなんだか照れますね。。ww爆w
イデアは、そうですねいわば、月を眺めるというのはつまり重積分をする。餅をつくのは偏微分の繰り返し。
というような感じで、金属箱に向き合うことから生じるケースでないことが僕の場合は多いです。
いかんせんその手のことについて具体的に語るのは苦手なんですが、、
唯一言えるとすれば、
小さいケースというものに詰め込む。
というありがちな手法とは最初から全く無縁でした。
このケースを狭いと思ったことはなかったんです。 物理的にいろんな原理を紐解くうちに、あまりにもMXRサイズのエフェクターというのは余裕のあるコンストラクションにおいて、いってしまえば、小さいケースのコンストラクションからすれば考察不足であることが多いのです。
現段階では、小さいケースのエフェクターのスタンダード論というのが全体的には確立されていないので、内部が複雑だとか、外的に小さいと思われるかもしれませんが、僕の世界ではすべてがスムーズでいたってノーマルです。
たどり着くまでは、アブノーマルな試行の繰り返しでしたけどね。。
ちょっと質問の時期が悪かったかもしれません。
9:なるほど、いやいや興味深い話ですねw
せっかく小さいケースの話がでてきたので
皆さんが多分聞きたい話を・・
最近は、もはやブームと言えるくらい
ミニケースペダルの潮流ができつつあります。
ずばり、SND以外に、気になるブランドはありますか?
S:なるほど、
まずは一番最初に書くべきは僕はSNDには興味がありません。。www
自分のブランドに自信を持たない。というわけではないですが、内的な考察にはもはや限界を感じます。
キルケゴールのあれかこれかというのがわかるきがしますね。
あ、そんな話ではなかったですねww
そうですねぇ、、
個人的には、ないですね。
唯一あるとすれば、
昔John Landgraffが製作していたBuzz Toneというものが素晴らしかったですね。
ただしサウンド面でみれば、
どこのブランドが製作しているものも、いままで同サイズでは存在しなかったので
本当に素晴らしいと思います。
Malekko,Lovepedal,Xotic...
サウンドのクオリティについて僕がとかく言う必要はありませんが、このケースのために大手が研究、時間を費やしてくれたというのがとても僕としては嬉しいですね。
ただし、コンストラクションや、内部回路、コンポーネンツについては自分とは方法論が一切違う、“大量生産用工業製品”というかんじなので、あまり興味はありません。
あくまで、方法論が違うというだけの話ですけどね。
9:言い得て妙だと思います。どっちがいい悪いではなくて、大手は大量に商品を生産する義務がありますからね。
S:その通りです。世界中が工場を限定されたAB抵抗しか入っていないエフェクターや、DuelundのCapしかはいっていないような破滅的なエフェクターだけでは、ピラミッドもクソもないですからね。。この数十年で築き上げられてきたエフェクター界のピラミッドの中のどの因子もがサウンド面のみではなく、必要性がある。ということだと僕は思いますね。
9:さて、ここにきてダイカストケースから遂に削りだしケースに乗り換えるそうですね?
S: そうなんですよね。
ただしこれについてはまた語ると長いのですが、
僕のブランドのコンセプトの一つに
"For Those Who Seek Real and Unreal"
というのがあります。
この"Real"とはいわゆる、実利的な得の話で、
ミニケースだから持ち運びが便利、だとか構造設計の妙で、ノブに足があたりにくい、とかウィーリーしない、とか、
誰しもに共通するいいと思われる点なんです。
対して"Unreality"というのは
もっと非物理的、科学的なもので、いわゆるプラシーボの集合体なんですよ。
例えば、あのエフェクターは10万円だからいい音がする。とか、20’の電話線を使っている。とか〜〜のギタリストが愛用。。。とか
そんなことはRealityしか追い求めない人間にとってはさぞ馬鹿らしいことでしょう。
しかし、"Unreality"の美しさがあるからこそ、僕たちの精神は満たされるわけで、
そういった誰しもには共通しないかもしれないが、強いプラシーボの原動力のなる集合体の1因子として“削りだし”を今回追加した。   ということですね。というのも
巷では、削りだしケースの優位性についていろいろとかかれていますが、
誰が物理的に詳細なレポートを持って証明したというのでしょう。
少なくとも僕の実験では、驚くような変化というものは一切ダイキャストに対してありませんでした。
もちろん、筐体の耐久性や、安定度、美しさなどなどの"Reality"はもちろんありますけどね。
レンジ感がうんぬんとかSN比が〜〜などといったものはいわゆる僕の一番嫌いなHype(誇大戦略)に過ぎないと思います。
そのような項目はむしろ、内部回路や特にICについての考察をもっと高次元で行ったほうがはるかに良質な結果が得られるというのが真実なので。
インピーダンスやL要素に関する内部構造の考察でもそうといえますね。
ただその辺の考察からミニケースを使っているという理由や、インピーダンスに関するグラウンディングの特殊な技法ももう使用していたので、“削りだし”は良くも悪くも"Unreality"の追求の一つなのです。
端的に、台湾製のダイキャストと、日本の職人が製作した削りだしを横に並べたときに誰もが思うことです。
Wow Machined AL is AWESOME!!! というふうに。
長くなってしまいましたねw 端的に述べるとするならば、 “削りだし”に変更にはなりますが、何もべつに変わらないということです。
Unrealityを追求するのは僕の信念ですし。 ただそれをユーザーに押し付けるのはばかげているので代理店、販売店のご協力をいただいて値段は上げないようにしています。
もはや、“削りだし”に優位性をHYPEできる時代なんて僕の中ではとっくに終了しているのですよ。
9:なるほど、Unrealityについて、私も非常に賛同します。私はもっと大ざっぱに
’ロマン’という言葉を多用しますwいいペダルは音だけでなく、ロマンがある、とw
今後の予定は、どんな感じですか?
S: なるほど、ナインボルトは世界有数のロマンがあるお店ですね。
どう考えても他社が獲得しないようなブランドを平気で持ち込み堂々とロマンを持って販売しますからねww
もう素敵としかいえない。
SNDにしてもそうです。 こんなマニアなブランドに興味を持ってくれる代理店は他にはないですよ。
9:褒められているのかどうかわかりませんが、ありがとうございます。個人的にはロマンのない商品を売る気は毛頭ないですね。中には全く売れない物も多数ありますが、もうそれは開き直りです。
S:素晴らしいですね。。 製作側と販売側という差はありますがロマンを”臨界的に”追い求めるという点でこれからも切磋琢磨していきたいです。。

S: ぁ、今後の予定ですか。
そうですね、とりあえずもうすぐこのブランドを休止します。ということですかね。
9: って、本当に休止するんですか?????
S: ええ。そうです。
いろいろ、計算式や、アイデアを考えているうちに
最終的にはもっと"Life"というものを深い段階で考察する必要性があると感じたんですよね。
休止期間は、一番崇拝するStradivariや、友人であり2番目に崇拝するStefan D'Pergo氏(D'Pergo Custom Guitars)などの歩んだ歴史を見たり、チョコレートの味の違いや、かまぼこ工場の見学、Federerのバックハンドの美しさの秘密、Lake Kawaguchiのワーム禁止の悲しさ。 などについて考察したいですね。
それらすべてのUnrealな因子を数年後Realな金属箱として皆さんの前に出すことができればこの上ない幸せなので。
9: 後半の大部分は、SNDを休止しなくてもできそうですが、分かりました。それではもう少し、一緒に日本のペダル業界を盛り上げていきましょう!何かこの場で言いたい事って、ありますか?
S:言いたいことですか。。 いくらでもありますね!!
とりあえず、あ、これはいいたいです!
http://mixi.jp/show_profile.pl?id=18176192
にて、僕のくだらない日記を読むことができますので、ぜひ皆さんよろしくお願いします。
新製品の開発や、SNDの理念についてや、というまじめな項目からマニアなBlack Metal,Shredの考察、餅をつくことは世界の心理に近づくことの証明だ。などという項目まで幅広くカバーしていますので。ぜひ!
以上です。ww

9: 了解です!ありがとうございました!