Black Cat Super Fuzz VS Wattson Fuzz FY-6


ファズペダルで「伝説の名機」は数多くありますが、日本から世界に衝撃を与え、数々のアーティストを虜にしてきたファズペダルといえば、Shin-Ei Super Fuzzをはずすことはできません。(もちろん、まだまだ名機は存在しています)
オリジナルのSuper Fuzzには、いくつかのバージョンがあります。外観を大きく分けると4種類。Uni-VibeなどをラインナップしていたUnibox名義の「Super Fuzz」。こちらは前期と後期で大きく見た目が変わっています。そして、Shin-Ei Companion名義のFY-6 Super Fuzzと、Companion名義のFY-6 Super Fuzzです。Uniboxの後期型は、大きく四角いフットスイッチ・・・というかフットパネルを装備したモデルで、残りの3種類はブランド名を示すバッジが違うものの、同じ筐体が使われています。
それぞれ回路自体に大きな違いはないのですが、Unibox名義の後期型には内部にトリムポットが付けられており、サウンドの微調整ができたようです。もっと細かい変更自体はいろいろあるようですが、あまりにマニアックすぎるのでこちらでは書きません。
さて、そんなSuper Fuzzですが、今からオリジナルモデルを手に入れるというのは、稀少な上高価で非常に困難です。そこで、さまざまなブランドがSuper Fuzzを再現し、甦らせています。
この間入荷したBYOC Leeds Fuzzの他に、当店ではBlack Cat Super FuzzWattson Classic Electronics Fuzz FY-6の2種類が、Super Fuzzを再現したモデルとして人気です。
Wattsonsの「FY-6」の外観は、CompanionやUnibox前期モデルの外観を踏襲しています。
この2機種、どちらもオリジナルモデル同様のコントロールを再現し、内部トリマを備えています。ではいったいどこが違うのか、と思われることもあるのではないでしょうか。・・・外観が大きく違うのは見ての通りですが、音の違いを知りたいというご意見もいただきます。

Black Cat Super Fuzz


Black Cat Super Fuzzは、Black Catが後にCustom Audio Electronicsの技術者となるフレッド・ボンテ氏が運営していた時代からラインナップされているモデルで、現在ではアナログトムことトム・ヒュージ氏によって作られているモデルです。

独特の爆音と轟音が入り交じる、ビンテージファズサウンドを見事に表現しています。

Wattson Classic Electronics Fuzz FY-6


名称に「FY-6」の型番が入り、オリジナル筐体の外観を再現しながらもON/OFFを示すLEDやアダプタジャック、ドライバー要らずの電池ボックスなど、今のプレイヤーが求める装備を実現しています。

こちらもサウンドの再現は見事!まさにスーパーファズの音色です。
 
この2機種、外観の再現度は言うまでもなくWattsonが高く、逆にペダルボードでの自由度やコンパクトさではBlack Catが圧倒的です。見た目のお好みやこだわりで選んでいただくのは非常にありがたいことです。
では、音はどう違うでしょうか?
まず、どちらも非常に高い次元であの音を再現しています。どちらもまぎれもなくSuper Fuzzの音そのもの。それゆえ、余計に違いを知りたくなりますよね。比べてみました!
音色は当然、ギターやアンプとの組み合わせや主観的な要素によっても感じ方は違うと思いますので、ご参考程度に読んでいただければと思います。
まず、この2機種、音は似ていますが実際に比べると違います。基板の写真を見ていただいてもおわかりの通り、使われているコンポーネンツが全く違いますし、基板のパターンも違います。音が違うのも当然です。
傾向として、Black Catの方がほんの少しローエンドが強めで、「弾きやすい音」が出ていると思います。対してWattsonは古いファズペダルらしい使いにくさというか・・・癖の強さを感じます。
Black Catの方が和音になったときのまとまりがよく、ある意味現代的な音色に少し、ほんの気持ち程度ですが近いと思います。オクターブアップ音やピッキングレスポンス、音量などはどちらも大きな違いは感じませんでした。逆に、バリバリとした音の乾きはWattsonの方が少し強めです。
「音色」という要素から比較した場合、Super Fuzzのあの音を、少し現代的に使いたいならBlack Catを、ビンテージファズならではの癖や乾きを求めるならWattsonをおすすめします。
どちらも本当にクオリティが高く、あまり明確な違いがないため微少な違いについて書かせていただきました。両者とも、強烈な音色です。