Fromel Electronicsの新作はファズペダル!


長いこと売り切れてしまっております、シアトルの実力派エフェクターブランド、Fromel Electronicsから久しぶりの新作が間もなくやって来ます!
Fromel Electronicsは、基板上のコンポーネンツの組み込みからケースのエッチング、塗装に至るまでを全て手作業で行う、まさに真の意味でハンドメイドエフェクターを制作しています。
塗装は1台1台全て異なり、またその塗装に合わせたノブを選択しているため、「全く同じ外観」のペダルは存在しません。
この新作「Phuz」にはシリコントランジスタの「Phuz Si」とゲルマニウムトランジスタの「Phuz Ge」の2種類のバージョンがあります。
記事トップの写真はシリコンバージョンの「Phuz Si」です。

そしてこちらが「Phuz Ge」。
この気品さえ漂うような独特の質感は、Fromel Electronicsのペダルならではです!

先に届いたサンプル品を使って音を出してみましたので、さっそくレビューをさせていただこうと思います。
まず、この4つのコントロールノブについて書きます。Phuzのノブは、右側の2つと左側の2つで役割が分かれています。左側の2つは「FUZZ」と「LOUD」コントロール。歪みの強さと音量を調整します。
右側の2つは「TONE」「FORM」というコントロールです。こちらにある「FORM」というコントロールは、Phuzの大きな特徴の一つで、クリッピングダイオードによる歪みと、トランジスタによる歪みをブレンドします。この4つのコントロール構成は、シリコンバージョン、ゲルマニウムバージョン共に同じです。

さっそくギターとアンプを接続し、音を出してみました。今回レビューさせていただくのはシリコントランジスタモデル「Phuz Si」です。
このPhuz Siは常識を越えていました。
ファズペダルといえば、ガツンと歪んで音の塊が飛び出してくるようなイメージを抱きがちですが、このペダルは全く違います。
ブルースプレイヤーの方は、ピッキングやギターのノブを巧みに操り、歪みとクリーンの中間的な音色に独特の癖を付けるようなファズペダルの使い方をされることがあります。
Phuzのサウンドは、まさにそんなトーンを作り出すファズペダルなのです。
粒が細かく、密度の高いスムーズな飽和感、ピッキングレスポンスは早く、的確で、さらにギターの原音を常に感じさせるクリアなサウンド…音の質感は100%ファズペダルですが、まるでローゲインのブースター的なオーバードライブペダルを使っているような感覚です。
Phuzは、他の歪みエフェクターやクランチ程度に歪ませたアンプをブーストする、「ファズブースター」として使うことの出来る、非常に珍しいファズペダルなのです。

左右で大きく役割が違うと先ほど書きましたが、実際使ってみるとコントロールノブはまさに左右で対照的な役割を持っています。
左側のLOUDコントロールは非常に大きな音量にまでブーストすることができ、FUZZコントロールはしっかりと効きます。
対して、右側のコントロールは音色の微調整を行うコントロールです。トップエンドが煌びやかすぎる場合に調整するTONEコントロール、そして歪みの質感を可変する独特のFORMコントロールは、共に音色を大きく変えることはありません。
Phuz Siの音作りは、まず左側「FUZZ」と「LOUD」ノブを使っておおまかで基本となる音を決め、続いて右側「TONE」「FORM」を使って繊細に音を追い込んでゆくのが良いと思います。

「Phuz Si」「Phuz Ge」共に間もなく発売します!
今度はシリコンとゲルマニウムモデルの違いについてもこちらで書きますね!