Moen GEC434入荷しました!


曲中の複雑なエフェクター切替を実現させる、プログラマブルスイッチングシステム。
シンプルな物から大がかりなタイプまで、数多くのスイッチングシステムが作られ、様々なプレイヤーの足下でエフェクトの切替を支援してきました。
そんなスイッチングシステムに革新を起こしたモデル、Moen GEC434が久々に入荷しました!
GEC434最大の特徴は、接続したエフェクターを自由に並べ替え、好きな順序に接続した状態でプログラムを保存できることです。
よくご質問されるのですが、エフェクターの接続順に、これといった決まりはありません。
たしかに、一般的によく使われる順序というのはありますが、こうでなければならない、ということは一切ありません。
そして、接続順によって出力される音色は変わります。
通常、複数のエフェクトを同時にかけた場合、アンプに近い方に接続したエフェクトの方が強くかかります。
エフェクトをどう接続するかという問題は、古くから多くのアーティストを悩ませてきました。
いくつか実例を挙げてみましょう。

ファズ×ワウ


ワウペダルとファズペダルの組み合わせは古くから行われ、まるで魔法のように魅力的なサウンドを生み出し続けています。
しかし、ファズとワウほど「相性が悪い」ものも珍しいでしょう。
Chi-Wah-Wahのように新しい構造のモデルはそれほどでもありませんが、写真のSquare Faceのような古い構造のファズやワウペダルは、インプットインピーダンスによってエフェクトの掛かり方が大きく異なるため、接続順によってはワウの効果を消し去ってしまったり、逆に思い通りの歪みを作り出せなかったりすることがあります。

ブースター×歪み


Flying Dragonのようなクリーンブースターと、Shoveのような歪みエフェクトの組み合わせは、接続する順によって効果自体が変わる例です。
歪みエフェクターは、音を歪ませます。特にShoveのようなレスポンスの高いペダルの場合、入力信号のレベルによって歪みに強弱を付けることができます。そして、クリーンブースターはギターの信号レベルを上げることができます。では、これを組み合わせると…

  • ブースターが先に来る場合

この場合、ギターの信号がブースターでレベルを上げられ、その後歪みペダルにつながります。そのため、ブースターをONにすると歪みが強くなる、いわゆるゲインブースターとして機能させることができます。

  • 歪みペダルが先に来る場合

この場合は、まずギターサウンドが歪ませられます。そして、歪んだサウンドの信号のままブースターでレベルが上げられるため、歪みのサウンド自体を変えずに音量を上げる、レベルブースターとして機能させることができます。
このように、ブースターと歪みの組み合わせは、接続順によってエフェクターの意味合いが大きく変わってきます。

複数の歪みペダル


歪みエフェクターは、それぞれ個性のあるサウンドを作り出します。
その個性を混ぜ合わせて、新しい歪みサウンドを作ることは…組み合わせにもよりますが、可能です。
例えば写真のNew Little Green WonderWiioの場合、Wiioを後につないでHiwattアンプをLittle Green Wonderでブーストするようなサウンドを作ったり、逆にWiioの歪みをLittle Green Wonderに入力して強烈な中低域を持つサウンドにしたり…Wiioをほとんどクリーンに設定し、前項のブースター×歪みのように使ったりすることができます。
もちろん、片方ずつをONにして場面によって音色を使い分けても良いと思います。

揺れ系×残響系


空間系の接続順は、多くのプレイヤーを悩ませてきました。
ディレイやリバーブのような残響系を後に接続することが多いとは思いますが、狙った音を作るためならどちらが先でも正解です。
フェイザーとディレイなら、音が響いていることを強調するならディレイを、強いうねりを強調するならフェイザーを後に接続すると効果的です。
フェイザーで浅く揺らした音色にディレイをかければ非常にナチュラルな効果を得ることができますし、逆にすれば非日常的に揺れるサウンドを作り出せます。
また、New Deep Blue Delayのアナログディレイライクな自己発振サウンドBaby Quasarの深くなめらかなフェイザーをかければ、非常に幻想的な演出をすることもできます。
 
このように、エフェクターの組み合わせには無数の音色の可能性があり、悩みはつきることがありません。
しかもエフェクター、特にコンパクトエフェクターを演奏中につなぎ替えるという芸当は、普通は無理です。
Moen GEC434なら、一度接続してしまえば、ボタン操作だけで簡単に接続順を並び替え、さらにそれらをメモリーして曲中に一瞬でつなぎ替えることもできます。
また、スタジオなどで音色の可能性を探る際にも、強い味方になってくれること間違いなしです!