Catalinbread Dirty Little Secretをレビュー!


「ロック」の代表的なサウンドの一つとして、マーシャルアンプの音色を避けてとおることはできません。
クラプトンがレスポールカスタムを使ってBluesbreakerアンプが奏でた世界初と言われるディストーションサウンド。それ以来、マーシャルアンプは歪み、そしてロックの代名詞として、ステージに君臨し続けています。

そんなマーシャルサウンドを、クリーンなアンプとエフェクターで作ることができたら…
これまで数々のブランドやビルダーが挑戦し続けてきた永遠のテーマです。
Catalinbread Dirty Little Secretは、シンプルに接続するだけで、そんなマーシャルサウンドを簡単に作り出してしまう、驚異のオーバードライブです。
まずはこちらをご覧下さい。

Fender Princeton Reverbという、自宅やレコーディングでクリーンなサウンドを作り出すアンプ…それもアメリカンなFenderサウンドを作り出すJensenスピーカーのコンボアンプを使っているにもかかわらず、どう聞いてもマーシャルスタックサウンドにしか聞こえない音色を作り出しています。これ見よがしに置かれたマーシャルキャビネットには何も接続されていない、というのもおもしろい演出です。

DLSは、そのあまりの完成度と手頃な価格から一気に全米を席巻し、定番の歪みエフェクターとなっているそうです。
その音色について、思えばこれまで書いたことがありませんでしたので、さっそくレビューをさせていただこうと思います。

DLSの大きな特徴として、Rock/Rawk切替スイッチの存在が挙げられます。
このスイッチは、Rockモードにすればビンテージマーシャルサウンド…プレキシサウンドと呼ばれる音色となり、Rawkモードにすれば現代的な、JCM800以降のマーシャルサウンドとなるよう設計されています。

DLSを実際に弾いてみると、非常にレスポンスが高く、また歪みはもちろんのこと、ゲインを下げてクリーンやクランチサウンドにしても常にマーシャルアンプサウンドを思わせる音色であることに気付かされます。
マーシャルといえば歪みのイメージが強いですが、特別なモデルを除き、ほとんどのマーシャルアンプは最近のモダンハイゲイン系アンプと比べると、それほどゲインは高くありません。また、アンプである以上当然ですが、ただ歪むだけでなく、クリーン・クランチサウンドもやはりマーシャルらしいサウンドが出力されます。
DLSはそんな「マーシャルアンプ」そのものをエフェクターで表現してしまったのです。

ギター側だけでゲインを操作できるレスポンス。今ではDLS以上にレスポンスの高いエフェクターはたくさんありますが、このペダルのすごいところはレスポンスの調整が絶妙で、繊細さと大雑把さの混ざった、真空管アンプならではのナチュラルなレスポンスをしっかりと再現しているところです。

モードの違いについて書いてみましょう。
RockモードとRawkモードの最大の違いは、ゲインの高さです。そして音の張り方やピッキングレスポンスが微妙に異なっています。
絶妙な違いを非常に高いレベルで表現しています。

ストラトキャスター、ファズフェイス、プレキシマーシャルといえばヘンドリクスですが、プレキシマーシャルがなくとも、DLSをRockモードにすれば、あの伝説のアンプサウンドを甦らせることができます。


こちらはRAWKモード。DLSのRAWKモードはRockモードよりもハイゲインですが、パリパリでガリガリに歪むようなゲインの高さではありません。
しかし、アンプそのものとも言えるほどのレスポンスを実現していますので、高出力のピックアップや、他のペダルを組み合わせることでハードロック〜メタリックなハイゲインサウンドも実現します。


一口にマーシャルサウンドといっても様々で、いろいろなアプローチから多くのブランドがいろいろなエフェクターを作っています。
その中でもDLSの存在感は強烈です。
なにより、歴代のマーシャルサウンドを…クラシックからモダンまで1台のペダルで実現し、さらにチューブアンプならではの特性を完全に再現しているペダルです。
DLSは手軽に手に入る最小のマーシャルアンプ、というのは言い過ぎでしょうか。

ただいま即納可能です!